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「マッサージを受けると楽になるのに、数日でまた元通り」。肩こりで来院される方から、一番よく聞く言葉の一つです。

揉むと楽になるのに戻ってしまう場合、硬くなった筋肉そのものが問題の中心ではないことがあります。多くの場合、その筋肉が「働き続けなければならない状況」が、別のところにあります。

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張っている筋肉は、頑張りすぎている筋肉

肩こりで張りを感じやすいのは、首から肩にかけて走る「僧帽筋上部」と「肩甲挙筋」です。どちらも肩甲骨を引き上げたり、頭を支えたりする筋肉で、本来は短い時間だけ働くようにできています。

ところが、デスクワークで腕を前に出したままにしていると、腕の重さを支えるために、この2つの筋肉が何時間も小さな力で入りっぱなしになります。強い力ではなくても、収縮が続くと筋肉の中の血の巡りが悪くなり、疲労物質が溜まりやすくなります。休めない状態が長く続くことが、慢性的な筋肉の痛みの一因になると考えられています。

つまり、「硬いから揉む」だけでは、働き続けてしまう原因が残ったままになります。

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原因は、肩甲骨の位置と、胸まわりの硬さ

座っていて頭が前に出て、背中が丸くなると、胸のかごである「胸郭」が前後に潰れ、肩甲骨は前に引っ張り出されて、下向きに傾きやすくなります。

こうなると、肩甲骨を安定させる「前鋸筋」や「僧帽筋下部」が働きにくくなります。その代わりに、僧帽筋の上部と肩甲挙筋が、肩甲骨を吊り上げる仕事を肩代わりします。胸の前にある小胸筋が縮んで肩甲骨を前へ引き込んでいると、この傾向はさらに強まります。

腕を上げるときの動きにも関係があります。腕は肩の関節だけで上がるのではなく、肩甲骨も一緒に動いていて、その割合はおおよそ「肩の関節2:肩甲骨1」とされています。この連動を「肩甲上腕リズム」と呼びます。背中や胸まわりが硬くて肩甲骨が動きにくいと、足りない分を首や肩の上のほうの筋肉が補うことになります。

肩こりの方は、肩そのものよりも、土台である胸まわりの動きが落ちていることが少なくありません。

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見落とされやすい「呼吸」

もう一つ、必ず確認するべきなのが呼吸です。

息を浅く、胸の上のほうだけで吸っていると、首や肩まわりにある「斜角筋」や「胸鎖乳突筋」が、息を吸うたびに引っ張られます。呼吸は1分間に十数回、1日では2万回以上。わずかな動きでも、積み重なると大きな負担です。下のあばら骨がうまく広がらない方は、肩まわりが休める時間そのものが短くなっています。

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まとめ

肩こりを繰り返す方の多くは、張っている肩そのものより、肩甲骨を支える土台の動きと、休めない筋肉の使われ方に原因があります。揉んでも戻ってしまう方は、一度、胸まわりと肩甲骨の動きから見直してみてください。

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